最近NHKの番組などで、鍼灸(東洋医学)が取り上げられる機会が増えてきたように感じます。『「東洋医学はなぜ効くのか」ツボ・鍼灸・漢方薬・西洋医学でみる驚きのメカニズム』などの書籍も出版され、少しずつ東洋医学の西洋医学での解明がすすんできている感じがします。興味がある方は読んでみると面白いと思います。

　どうして、足のツボに鍼を打つと腰の痛みがなくなるのか？血流が良くなるのかなど、実際の検証は環境もふくめ難く、現実には脊柱管狭窄症の患者さんの外科手術中に、足のツボを刺激して血流量が変化するかの測定をおこなう(論文にするためにはある規模の人数が必要)など、ここまでやらないとエビデンスは取れないのかと東洋医学の効果説明の難しさを感じていました。しかし、最近では、脳内での痛みのメカニズムや伝達経路などが解明され、そこへの伝達物質などの量を測定するなどしていろいろな工夫が進んでいるようです。

　有名な、モクサアフリカ(イギリスのチャリティ団体で、アフリカを中心に世界各地で結核治療におけるお灸の有効性を研究・普及活動を行っている人たち)の報告でも、西洋医学的な薬物治療に加え東洋医学(お灸)により、血清学的で免疫学的なマーカーの変化がみられるなどのエビデンスもあつめられており。なんだか、先進的な西洋医学が東洋医学を追っかけているようにすら感じる事もあります。

　近代社会により、人の感覚よりも、エビデンスによる積み上げの結果が重要視され、それが部分的な結果だとしてもあたかも全体の結果のように信じられ思考が停止しているように感じている今日このごろです。

参考文献：東洋医学はなぜ効くのか：山本高穂、大野智

もくさあふりかのサイト：https://www.moxafrica-japan.com/

その他：https://hms.harvard.edu/news/exploring-science-acupuncture

　　　　https://www.nature.com/articles/s41586-021-04001-4