ツボとは、東洋医学で用いられる概念で、身体の表面にある特定の点のことを指します。経絡と呼ばれるエネルギーの通り道上に存在するとされ、このツボを刺激することで、身体のエネルギーの流れを整え、健康増進を図ると考えられています。

では、どうしてそのようなツボが存在しているのか？という疑問が湧きます。自分が参考としている解釈の一つとして、

・人体が胎児から構成される過程で伝達路としてつかわれたのが経絡で、各構成要素が発現するきっかけとなるポイントがツボで、成長した段階で体全体に広がりマップするようになった。というような捉え方があります。

・また、経絡は、現代科学では、「ファシア」と関係が深いと言われています。経絡の走行ルートが、ファシアの走行ルートと非常に似ている部分があることが指摘されています。ファシアは、筋肉や内臓を包む膜状の組織で、全身に張り巡らされています。

・ファシアが歪むことで、経絡の流れが滞り、エネルギーがスムーズに流れない状態になる可能性があることが指摘され、ファシアリリースなどの施術によって、ファシアの柔軟性が回復し、経絡のエネルギーの流れが改善されると考えられています。

・ファシアの筋膜部分が取り出され、筋膜リリースという言葉が多く聞かれることとなりました。

・ファシアと筋膜は厳密には異なります。ファシアは、より広い概念で、全身の筋肉、骨、内臓、神経、血管などを包み、保護する薄い結合組織のことを指します。いわば、身体全体の「内なるスーツ」のようなものです。一方、筋膜は、ファシアの一部であり、筋肉を包む膜のことのみを指します。

　参考書籍：「閃めく経絡 現代医学のミステリーに鍼灸の“サイエンス”が挑む！」（ダニエル・キーオン著）

ツボの主な特徴

• 経絡上にある: ツボは、経絡と呼ばれるエネルギーの通り道上に点在しています。経絡は、全身に張り巡らされたエネルギーの流れ道で、臓器や組織とつながっているとされています。

  • 正経十二経脈が有名で五臓（肝、心、脾、肺、腎）と六腑（胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦）にそれぞれ対応しており、全身を縦横に巡りながら、気血津液（エネルギー、血液、体液）を運搬し、臓腑の機能を調整するとされています。

  • 陰経:

    • 手太陰肺経

    • 手少陰心経

    • 手厥陰心包経

    • 足太陰脾経

    • 足少陰腎経

    • 足厥陰肝経

    陽経:

    • 手陽明大腸経

    • 手少陽三焦経

    • 手太陽小腸経

    • 足陽明胃経

    • 足少陽胆経

    • 足太陽膀胱経

• 多様な種類: ツボには、数百種類もの種類があり、それぞれのツボが異なる働きを持っています。

• 刺激方法: ツボは、指圧、鍼、灸、マッサージなど、様々な方法で刺激することができます。

ツボの効果

ツボを刺激することで、以下のような効果が期待できます。

• 痛みの緩和: 頭痛、肩こり、腰痛などの痛みを緩和する効果が期待できます。

• 血行促進: 血行を促進し、冷え性やむくみの改善に役立ちます。

• 自律神経の調整: 自律神経のバランスを整え、不眠やストレスの軽減に効果があります。

• 内臓機能の改善: 内臓の働きを活発にし、消化不良や便秘などの改善に役立ちます。

当院でのツボの活用

当院では、症状に合わせたツボを刺激していく方法と、筋肉走行上の拘縮している場所の緩和をしていくく西洋的な方法をハイブリットして施術しています。