パニック障害は、突然強い不安や恐怖に襲われる発作が起こる病気です。発作時には、動悸、息切れ、めまい、発汗などの症状が現れます。寝汗は、パニック障害のよくある症状の一つです。発作時だけでなく、寝ている時にも大量の汗をかいてしまうことがあります。

　これは、パニック障害によって自律神経が乱れ、体温調節機能がうまく働かなくなることが原因と考えられています。

　以下のようなメカニズムが考えられます。

・発作時の症状: パニック発作が起こると、交感神経が優位になり、心拍数や呼吸数が上がります。同時に、体温も上昇します。そのため、発作時によく寝汗をかきます。

・予期不安: パニック発作を再び起こすのではないかと不安を感じる「予期不安」も、寝汗の原因となります。不安感によって交感神経が活性化し、体温が上昇して寝汗をかいてしまうのです。

・睡眠不足: パニック障害によって不安や恐怖を感じていると、眠りにつきにくくなったり、夜中に目が覚めたりすることが多くなります。睡眠不足は自律神経の乱れを招き、寝汗をかきやすくなる要因となります。

　当院では、マッサージや鍼灸を段階的に施術していくことによって、身体全体の自律神経を整える手助けをしています。

当院の１例として、

・全身マーサージ、と　全身の緊張をとる鍼を基本施術に加え；

　＋　鍼による上腕ツボへの刺激

　＋　下半身、全身を温めるショウガお灸 などを段階的に実施しています。

 　当院にいらしている患者様の場合、上腕のツボでの施術で、上半身の寝汗はおさまったが、下半身の寝汗がおさまらないので、ショウガを間に挟んだ隔物灸を実施することで、下半身も改善されたとの報告を受けています。 　

　効果は、1-2週間ほど寝汗の軽減が継続し、次第に増えてくるので、1回/3週間程度、施術をおこなっています。

   また、患者さん自身でも、日常生活への取り組みをお願いしてます。

・生活習慣を整える: 十分な睡眠、規則正しい生活、適度な運動を心がけましょう。

    また、カフェインやアルコールを控える

 ・リラックス法を身につける: ヨガや瞑想などのリラックス法を身につけることで、不安を軽減する

　*寝汗は、パニック障害の症状の一つとして決して恥ずかしいことではありません。もし寝汗で悩んでいる場合は、一人で抱え込まず、一度ご相談ください。

　　東洋医学も一つの選択肢になりうる可能性があります。