後頭下筋群は、後頭部と首の境目にある4つの小さな筋肉（大後頭直筋、小後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋）の総称です。

後頭下筋群は、頭部の位置を微調整し、眼球運動をサポートする役割を担っています。 長時間のPC作業で、画面を注視するために顎が前に出て、首が不自然な状態になると、後頭下筋群は過度に緊張します。 この緊張が続くと、首や肩の凝り、頭痛、眼精疲労などの原因になることがあります。

　また、後頭下筋の一部は、結合組織を介して脳の硬膜に繋がっており、後頭下筋の緊張が硬膜に影響を与えることで、頭痛や眼精疲労の原因になることがあります。

<後頭下筋群と姿勢の関係>

姿勢の悪化:

　後頭下筋群が硬くなると、頭が前に出て、背中が丸くなる「猫背」のような姿勢になりやすいです。　

頭痛や首こり: 　　

　後頭下筋群の緊張は、頭痛や首こりの原因となることがあります。

眼精疲労: 　

　後頭下筋群は眼球運動とも関係が深く、緊張すると目の疲れやかすみ、視力低下などを引き起こすことがあります。

自律神経の乱れ: 　　

　後頭下筋群の緊張は、自律神経のバランスを崩し、不眠やイライラなどの原因になることもあります。

まとめ

　後頭下筋群の緊張を放置すると、慢性的な頭痛や肩こり、眼精疲労につながる可能性があります。日頃から姿勢に気を配り、こまめな休憩やストレッチを取り入れることで、後頭下筋群の負担を軽減しましょう。

　当院では、全身治療の一部として後頭下筋群への緊張をほぐす鍼施術をスタンダードとして取り入れています。 私自身、変形頚椎症のため、この後頭下筋群が過緊張をおこし頭痛を起こす日々の症状を、鍼によるアプローチで回避に努めています(笑)ので、 是非、お試しください。

出展：

　- プロメテウス解剖学 コア アトラス

　- 後頭下筋群と脊髄硬膜間の連続性に関する形態学的および組織学的研究　歯科学報 Vol．１１４，No．５（２０１４）