「医学が進歩したせいで、治療の本分と限界とが忘れられ、"必ず治す"を皆さんが治療に求めるようになりました。 」

　たしかに、"xxをやったら必ず良くなるのですよね！"などとお医者さんに攻め寄っているのをよく目撃したり、自分の鍼灸院でも、"xxを完璧にしておきたい、まだ効いてこない..."　と即効性を求められることもあります。

「しかし、例えば、手足に切り傷を受けたとき、外科のお医者さんが針と糸で傷口を縫い合わせます。

そうすることで、はなれている皮膚同士を近づけて、 その位置でずれないように固定しているだけなのです。

そして不潔にならないようにガーゼで覆います。

これらすべて、自然治癒力が働きやすい状態をつくっているのです。そしてそのあとは待っているのです。」

そうなんです、自然治癒力をいかに働かせるかがとても重要なのですが、その後の過程がすっかり忘れられているのです。

自然治癒力を発揮させるには、その環境、状態を整えること、それは、仕事や生活環境までに広がることです。

例えば、介護士さんを施術していると、その職場状態によって、体の均整状態が常に変化しながら悪化していることがよくあります。

話をお伺いしていると、やはり無理なシフト(慢性人手不足でしょうがないのですが...)や、担当入居者さんの介護状態にそって体の異常が出現していることがわかります。

あまりひどい人には、職場を変えたらとも言います。

みなさんも、自然治癒力を応援するつもりで、自身の養生をしてくだざいね！

参考引用文献： 心身養生のコツ 　神田橋　條治