脈診は、東洋医学（漢方医学、鍼灸医学）における重要な診察法の一つであり、手首の脈を触診することで、患者の体質や病状を診断する方法です。

脈診で分かること

脈診では、脈の以下の要素を診ることで、患者の体質や病状を総合的に判断します。

• 脈位: 脈が触れる深さ。浮脈、沈脈、中脈などに分類されます。
• 脈形: 脈の幅、大きさ、強弱。弦脈、滑脈、洪脈、緊脈、弱脈、虚脈などに分類されます。
• 脈勢: 脈の速さ、リズム。遅脈、数脈などに分類されます。

当院での施術例： 当院でも、所見で体調のすぐれない方には、脈診をして、東洋医学的な総合的な施術を行うようにしています、その後に肩こりや、腰痛といった局所の痛みへの処置を実施します。

例えば、脈が沈んでいて勢いがない場合、長野式治療法における、「胃の気」の考え方を活用しています。

「胃の気」は、体内の気の巡りを整えるために重要な役割を果たす基本的な概念の一つです。 具体的には、以下のような要素を指します。

• 消化吸収機能: 胃腸の働きを司り、食物の消化吸収を促進します。
• 免疫力: 免疫細胞の活性化や、病原体に対する抵抗力を高める役割を担います。
• ホルモンバランス: ホルモンの分泌や調整に関与し、心身のバランスを維持します。
• 精神状態: ストレスや不安などの精神的な状態を安定させ、心の健康をサポートします。

これらの要素が適切に機能するよう施術することで、全体の健康状態が良好に保たれると考えられています。

まず、全体の治療により、身体のベースを向上させつつ、局所の治療を行うことが重要と考えています。 実際、施術前と施術後により脈の状態に変化があらわれ、それらを指針の一つとして身体に変化がおきたことを確認します。

脈診の重要性

脈診は、現代医学の検査機器では分からないような、患者の体質や病状の詳細な情報を得ることができるため、東洋医学における重要な診断法の一つとされています。

また、脈診は患者さんに触れることで、信頼関係を築くのにも役立ちます。

脈診と西洋医学の診断 脈診は、西洋医学の診断とは異なる視点から患者の状態を判断するため、西洋医学の診断結果と一致しない場合もあります。しかし、脈診で得られた情報は、西洋医学の診断の参考情報として役立てることができます。